○社長の言葉

社長の仕事 社員の仕事
会社の競争力とはなんだろう
同じ業界の方は、同じ視点で世の中の仕事をみている?
いま儲かっている仕事はいつかなくなる その1
いま儲かっている仕事はいつかなくなる その2
知識社会と経営者
経営の言葉
社長さん! 税理士の言うとおりにしていたら  会社つぶれますよ!
京セラの考え方
不況のせいにするな!ヒントはあなたの足元に!
リストラなう! 綿貫智人 を読む
貴方の会社が無くなったら、困るお客さんはいますか?
良くない経営者
人材
お金の歴史は1万年
経営革新 いろいろな改革を同時に行う
香港の会計事務所の講演
税務申告のインドへのアウトソーシング
日本は豊かになっている
義援金とふるさと納税
危ない 危ない
お客さまと会食する
標準品と付加価値
スイッチ・オンの生き方
企業の格付けと国の格付け

社長の仕事 社員の仕事

 経営者の方から教えて貰った言葉を紹介させていただきます。

 
 経営とは、他人を通して事(仕事?)を行うことだ。
 
 社長が先頭を走って現場で仕事をしていると人(社員)が動けない、人が成長しない。
 
 社長が営業の第一線でやると一番営業が上手だ。
 
 社長が業務を行うと一番上手に業務を行える。


 しかし、いつまでもそういう事をやっていると、いつまでもそうやっていると会社は成長できない。

 
 会社が立ち上がる時期は社員がいても本当の意味で仕事ができるのは社長以外いない。
 社長が働くしかない。
 
 しかし、会社が立ち上がる時期が終わり少し従業員が増えてきた時になっても
 そうやっていると会社は成長できない。

 
 社長なら一人で社員一人の5倍の仕事をやれる。
 
 しかし社員は仕事を覚えず半人前だ。そうすると従業員が10人いたとしても、
 その10人ができる仕事は半人前すれば10人×0.5=5人分。

 社長はただ10人分の従業員の給料を払う為だけに働いているような気になる。
 (その社長はなられれたそうです。)

 社長の5人分+従業員の5人分=10人分の仕事の売上で10人の従業員の給料を払う。

 
 そうではなく、社長が従業員が仕事を行なうためのサポートに徹して、
 仮に10人の人が1人前の仕事ができれば、10人×1人分=10人分 社長が従業員が
 働けるようにサポートする事によって従業員が常に1.2人分の仕事ができるように
 なれば10人*1.2人分=12人分の仕事 売上になる。

 
 社長は人が動けるように助けるのが仕事である。
会社の競争力とはなんだろう

 経営者の集まりではっと気づかせられた話を紹介します。


 今、会社の競争力とはなんだろう。

 今は 知識社会といわれる。


 商品には知恵がついている。
 しかし、中小企業の間では売っている商品そのものに違いがあるとか技術そのものに
 違いがあるとかだけでお客様から選んで貰う事はできない分野が多いのでは
 ないだろうか。

 その従業員の差がお客様から可愛がられ信頼され、
 商品が売れる(仕事がもらえる)条件ではないのだろうか。

 私は、売っている商品(技術)+社員の力(人材)という風に考えている。

 「差別化」よく差別化とか言いますが、それは非技術的世界ではないだろうか。

 商品技術がよいのは、いまや当たり前の世界である。
 それを前提にして今一段上の力がいる。

 お客様が求めているのはお役立ちである。

 商品に差がなければ、(商品に差があってもはっきりわかることは少ない)社員が
 お客様にお役に立とうという姿勢と行動ではないのだろうか。

 それは 挨拶 ありがとうございました、おはようございます、こんにちは、
 いらっしゃいませ、お世話になっています、であり それをいうときの明るい
 表情ではないのでしょうか。

 明るい対応などの人間性のアピールが重要なのではないだろうか。

 さらにお客様のお役に立つためには相手の話をよく聞く。
 相手に対してきちんとお礼を言う。
 相手の立場にたって話を聞く。
 事務所にいる人でも電話の応対で感じのいい応対ができる人。

 それが社員力というか人材なのではないのだろうか。
同じ業界の方は、同じ視点で世の中の仕事をみている?


 中小企業の経営者の方の集まりに長年参加しています。

 そこではいろいろな業界の人がいろいろな見方をしています。
 本当にドッキとさせられることに良く出会います。

 同じ業界の方は、同じ視点で世の中の仕事をみているように感じます。
 同業者の方のお付き合いの世界は、やはり同業者の人が多い。

 同業者の方々と話す内容は、同じ方向で世の中を見ているのではないかと
 思う事があります。

 
 つまり、同業者に入ってくる情報というのは、どうしても限られたものなのでは
 ないでしょうか。

 従って世の中といいますか、その経営者の方が属している世界は、必然的に
 同じ方向で見ている事になるのではないのでしょうか。

 これは、公認会計士である私にも同じ事が言えると思いますので、
 自ら戒めたいと思っております。

 できるだけ同業者以外の方々と交流することにより、違う方向で世の中を見た方が
 経営に役立つのではないでしょうか。

 たまたま、ある経営者の会で話をしていてそう感じました。
いまの儲かっている仕事はいつかなくなる その1


 □ある中小企業経営者の研修会に参加。印象に残った言葉をメモにしていました。


 ・「お客様のことを知っているのは社員」

 ・「人の役に立つ会社になるには、人の役に立つ社員が必要」

 ・「立派な会社理念をもっていても現実に儲かっていなければどこか間違っている」

 ・「いまの儲かっている仕事はいつかなくなる」この言葉が一番心に響いた。

 ・「経営者の仕事は、資金繰りと決断である」

 ・「だんだん経営者も年をとり、経験豊かになる」経験がジャマをすることがある。

 ・「現状のお客様の声なき声をきくことができなくなった」



 □儲からなくなっていて行うことの失敗例(典型的なこと)

 
 ①儲かりそうだからやってみる → 「最悪」

 ②やらないいいわけをする→いいわけばかり上手で実行が伴わない。

  実行しない人にはやめてもらえ。

 ③精神主義に走る→マチガッタことをがんばってするな!

   社長は昔休みの日も出社して残業してがんばった経験を持っているので
   がんばっている人が好きである。

   必要なのは成果であるからがんばることではなく成果を上げることである

   間違ったことを全力でやると悪い結果だけが大きく残る

 ④過去の成功体験をくりかえす→時代はかわる、百害あって一利なし
今 儲かっている仕事はいつかなくなる  その2


 顧客行動

 ・不満をもつ顧客のうち、実際に苦情をいうのは4%に過ぎない。96%はただ取引きを
  止めるだけである。

 ・不満を持っている顧客のうち、25%は非常に深刻な問題を持っている。

 ・不満を持つ顧客は、平均10人に不満を話す。

 ・苦情が解決されたときは、平均6人にその事を話す。

 ・新規顧客を獲得するのは、既存顧客を維持することの5倍から7倍のコストがかかる。

 ・特に満足度の高い顧客は、1〜2年のうちに一般顧客の6倍のサービス・製品を
  購入する。


 講師の社長の行動の基準

 −お客様から見たクォリティを常に考える
 −社員が自ら成長する状態をつくる
 −お客様にとってさらに高い価値を生みだすプロセスを社内に作る
 −常に聴く耳を持ち、自分自身を疑うこと
 −スピード
 −お客様、仕入先、社員はみな対等な関係
 −公正が第一(業界のルールにしばられない)

 人は「暗黙知」でしか動けない
 知識を学んでいく課程で得られる「暗黙知」こそが重要。
 そして それを「人」から「人」へ知らせる。伝える。
 対話による学びと伝達が大切である。

 人は自分が一番大事。人は自分の夢が大切。
 自分の夢をとことん考えなければ、自らの夢が明確にならない。
 自分の夢のために、何を仕事でできるようにならなければならないか、
 何を仕事でしなければならないのかを知る。行動がかわる。

 経験は在り方は教えるが 問い方は教えない。 (ハイデッカー)

 今、大切なのは「問う」ことである。
知識社会と経営者


 あるセミナーで教えられたことですが

 今時代が動いている。
 工業化時代から新しい時代(ドラッカーはそれを知識時代と呼んでいる)に変わり始めたのではないか?

 工業化時代では、労働者は肉体労働者としての役割が大きい。
 高校野球のように各人が監督の指示に従い専門的な仕事を果たす。

 知識社会では、労働者は知識労働者としての役割を果たす人が増えてくる。
 そこではサッカーの選手にたとえられる。試合が始まったら監督はやることは限られてくる。
 選手一人一人が本来のポジションがあるが試合の状況に応じて個人の判断と裁量にて、
 想像力と知恵と工夫で高い成果を上げる。

 知識社会の生産性は 工業化時代の50倍以上高い。
 知識労働者としての投資銀行業務やグーグルなどの業績を見ていると 工場とは段違いの生産性です。

 ドラッカーは、経営の方法が未だ工業化時代のままであり知識社会の経営の方法が確立されていない、
 50倍もの高い生産性を生み出せる知識社会が始まったのにその成果を生み出せる経営の方法が
 確立していないと述べているとのこと。


 そこまで行かなくても 私のささやかな経験からでも、
 現在のどんな会社でも製造業でも小売業でもサービス業でも 次のことはいえる。
 
 使用人とは言われたことさえやればよいと思っている人である。
 経営者意識を持った従業員とは自ら役立ちを探していく人である。

 経営者意識を持った従業員が多い会社のほど社風が明るく業績がよい。
経営の言葉

 ある会合で教えてもらった言葉

 社長は 将来の戦略を考える唯一の人

 全ての顧客のニーズを満たそうとすると 全ての顧客を満足させられない

 儲かる仕事は特殊で手間暇がかかる事業

 従業員が活性化している会社は経営指針書(経営計画)を作っている会社が多いようだ。

 経営指針書とは 経営理念 利益計画 経営戦略をまとめたものである。
社長さん! 税理士の言うとおりにしていたら会社つぶれますよ!
 河辺よしろう WAV出版

 ベストセラーなのだそうです。

 この著者のセミナーを聞く機会がありました。


 この本の帯のタイトルは

 なぜ 税理士の経営指導はマユツバなのか?
 どうすれば儲かるビジネスモデルを作れるのか?


 税理士ーーというタイトルをつけた本は売れるのだそうです。
 それは今の税理士のサービスに満足していない経営者が80%いるためとのこと。

 いちいちもっともな話なので思わず笑ってしまいました。

 1.税理士が作るのはあくまで納税のための決算書
  ・決算書は国に税金を払うために作る
  ・経営分析のために、経営者のために、作っているのではない。
 
 2税理士に経営を相談するな

 3営業経費は無駄な経費ではない。お客様、売上を作る営業投資だ。

 4税理士は税金のプロだ、経営のプロではない。


 著者の河辺さんは中小企業のビジネスモデルのコンサルタントで
 名古屋を中心として活躍、セミナーで売れっ子とのこと。

 いろいろな気づきと反省を与えてもらいました。
京セラの考え方

 元、京セラの役員の方で稲盛和夫名誉会長から直接の部下として創成期に
 一翼を担っていた方からの話を聞く機会がありました。

 印象に残った言葉をいくつか紹介します。


 1.長期経営計画等、5年先の事を考えても仕方がない。

  1年先を予定し、1日1日を必死で頑張っていく。
  朝、今日の予定を立て、夕方、今日の反省をする。


 2.固定費等はないと考える

  注 固定費を安易に使うな。
  本当に必要かいつも見直すという意味に私は受け取りました。


 3.従業員の質をかえる。

  言われたことだけやれば良いと思っている人は使用人である。

  従業員の方に経営者意識を持たせたい。
  経営者とは、自ら役立ちを探していく人のことである。

  
  ここで京セラで有名なアメーバ経営の説明がありました。

  一種の小集団活動ですが、小集団活動の中に一番印象的だったのは
  人件費という概念を入れると利益で小集団活動がうまくいっている、いっていない
  ということが判定される。
  そうではなく、人件費を含める前のその小集団での一時間当りの付加価値を
  中心として考えていくとの話であった。

  京セラの稲盛会長の有名な言葉に、「売上最大、経費最小にすれば、
  利益最大になる」という言葉がある。
  利益ということを追及していくと、人件費の引下げという側面にぶつかる。
  そうではなく、時間当たり利益が最大になれば時間当たりの給料も上げられるの
  だという考え方が裏側にあると感じた。

  原材料については、まとめ買いを禁止、必要な量だけを買う。

  アメーバ活動においては、工場の人が売り上げるという感覚にたっている。
  工場の人と営業マンがお客様を訪問して見積り、受注をする。
  営業マンは販売手数料をもらうという考え方である。

  京セラの経営については色々な本が出ていますし、あるいは稲盛さん自身の
  CDなどもあるので、ある程度は理解していたつもりでしたが、実際に直接の
  部下として働いていた方からお話を聞くと、また違った側面で色々考えるし、
  腑に落ちるところがありました。


  最後に、京セラの判断基準

   ・心が満足するか

   ・夢をもち豊かに生きよう

   ・みんなで幸せになろう

  また、人生 仕事の結果=考える×熱意×能力 という方程式が紹介されました。
不況のせいにするな!ヒントはあなたの足元に!


経営者の勉強会で聞いた言葉

印象に残った言葉だけリストアップします。

・不況のせいにするな!ヒントはあなたの足元に!

不況脱出のポイントはお客様から喜ばれる会社づくりである。
顧客や自社が困っていることがヒントになります。

下請けは値段が発注先から決められる。
商品を作ることにより値決めを自分で決めることができる。

社長の力とは決断力とチャレンジ力である。
計画の中で、現在の仕事を「やめること」を決める。これは社長だけが決めることである。
業態転換を模索、付加価値のアップを考えた。
お客様の困ったことを解決する、及び自社が困っていることを解決する。

社員と共に勉強会に参加した。
経営革新支援法の認定を受け、下請け業務から商品のレンタルという方向へ企業を変革することを決めた。

新商品の売り出しについて大切なこと。
①ネーミング 
ネーミングには感性が大切であり、それは社長がもっているのか、従業員がもっているのか、あるいは社外の人がもっているのかは分からない。
②新商品は、早く、早く、早く、広めることが大切である。競合品は直ぐに必ず出てくる。出来るだけ早く広める。その為には、どこと(大企業等)提携するかが大切である。

「新連携」という制度がある。
経済産業省や国交省等が事業化を後押しするものである。
新連携をとると、日本政策金融公庫(かつての中小企業金融公庫)が出資の形で金融支援してくれる。利息の形で配当を払う。

自社が商品を売るのか、レンタルするのか、どうするのかを決める。


経営者の責任は、経営者が社員と企業を守りぬくことである。
経営者と従業員が共に育つという意味で教育という言葉を使う。その背景には、みんなで幸せになりたいのだということがある。

価格決定権をもつ商品の開発が成功のポイントであった。
リストラなう! 綿貫智人 を読む

リストラなう! 綿貫智人 新潮出版 を読む


リストラの厳しさを辞めさせる側、辞める側の両方から描いた小説として
「君たちに明日はない 垣根諒介 新潮出版」の本を以前読みました。
短編小説集です。

面白かったので、同じ作家の連続小説集「借金取りの王子」、「張り込み姫」と
連続して読みました。
色々なリストラという舞台を通じて、浮かび上がる人間模様というのが
垣根諒介さんの内容です。

一方、「リストラなう!」は小説ではなく、ノンフィクションというか、女性雑誌で有名な
大手出版社の今年3月末から5月末までの2ヶ月間の間のリストラ(早期退職優遇措置)を
うけて退職される40代半ばのある営業社員の方(ブログ上の名前は”たぬきち” さん)の
実況ブログとのこと。

そのブログでたぬきちさんが考えている思いや起きていることを紹介しています。
主に、出版業界のこと、あるいは会社のこと等、色々面白いテーマがあげられています。

尚、無理やり辞めさせられるという世界ではなく、高額な年収をもらっていた
サラリーマンの方が超高額な退職金をもらって退職するという背景があります。
一方、会社に残る方はかなりの給与カットが予定されているとの話です。

それよりも面白かったのは、色々な人が色々な思いをもってこのブログにコメントを
載せていることです。
この本のブログはまだインターネットに残っていますし、そのままコメントも残っています。

出版に関する色々な思いをたぬきちさんが述べ、それについて関係あること、ないこと
色々な方が色々なコメントを載せ、そのコメントを読んでいく中で自分なりに出版業界を
めぐる色々な側面が分かってくるような気になるようなリアルな現実社会の話でした。

いろいろなコメントを読んでいく中でコメントする人の知識や見方による物事のとらえ方の
違いが興味深く思いました。

出版業界には属してはいませんけれども、リアルであるだけに
色々考えさせられる話でした。

リストラなう!を読んで、色々と考えさせられましたが、ただ一つ言えることは、
このような過去凄まじいまでの高収益を上げ内部留保が十二分にあるといわれている
会社でさえも、リストラに踏み切らざるおえなくなった時代であるということ、そして
このようないわゆる金銭的には理想的な形でのリストラによる退職、高給による
退職というものはおそらくもう今後そんなにはないだろうなと思われるような内容でした。
貴方の会社が無くなったら、困るお客さんはいますか?


経営者の勉強会で教えてもらった言葉

今はデフレ時代といい、中小企業の大部分は売上が伸びず大変苦しんでいます。
こういう場合の経営者の対応は3つに分かれる人が大分とのことである、
①そのうちなんとかなるだろうと思う
②これは円高デフレのせいだ、といって社会のせいにしている
(従って自分の会社の業績が悪いのは仕方がない)
③これからはやっぱりアジア新興国だといいながら具体的な行動はおこさない

中小企業は大体この3つに分かれると、ある経営コンサルタントの方が言っていました。
そうは言っても、以前の研修会で教えてもらった、ある経営者の言葉があります。

勉強会のテーマは「貴方の会社が無くなったら、困るお客さんはいますか?いるとしたら
どう困るのでしょうか?いないとしたら貴方の会社には何が足りないのでしょうか?」
ということを考えようというテーマでしたが、その時に教えられた言葉です。

現在のビジネスがうまくいっていないとしたら、発想の転換を考えてみよう。
発想の転換、自社のビジネス構造を再点検する。売るものを変えてみる。売り先を変えてみる、売り方を変えてみる、売るエリアを変えてみる!

①何処でも扱っているような商品を×何処でもやっている売り方サービスで売る 将来その会社は消える

②何処でも扱っているような商品を×何処でもやっていない売り方サービスで売る その会社は生き残る

③何処にもない商品を×何処でもやっていない売り方サービスで売る その会社は大発展をとげることが出きる


ドラッカーの言葉に「あなたは何をもって知ってもらいたいですか。」という言葉があるそうです。 
自分の強みとはなんだろうか。自分がやりたい自分らしさとは何だろうか。
良くない経営者

経営者のグループで経営指針、経営計画を作ろうという運動をやっています。
そこで学んだ言葉です。

1.良くない経営者とは、しなければならない仕事をしていない人である。
 しなければならない仕事は、緊急ではないが重要な仕事のことをいう。
 長期的に会社にとって重要な仕事をやっていない。

2.良くない経営者とは、作業ばかりやっている経営者である。
 従業員ができない仕事をやるのが経営者である。緊急ではないが重要な経営者の仕事は
自分の会社が売っている商品の価値は何なのか。なぜ、お客様は買ってくれているのか、
誰が買ってくれているのかということを突き進めて考えることである。

教えてくれた経営者が使っている経営分析の道具は、
1.ABC分析
2.SWOT分析
3.年計表による分析
4.ポートフォリオ分析  の4つであるとのこと。

これを基に戦略を考えている。経営計画の立て方は、まず経営理念をはっきりとすること。
次に必要な利益(売上から経費を引いて利益を出すのではなく、利益から逆算していって
経費や売上の水準を組み立てていく)ことである。それに従って利益計画を立てる。
しかし、利益計画は単なる数値であってはいけない。それを経営理念、あるいは、
経営の数値をいかにして、実際に落とし込むために実行する計画を立てる。
これを経営指針と呼ぶ。

ちなみに、その会社で会社として従業員に求めていることは、次の5つの言葉であるという。

1.品位を保持する
2.知識を受容する
3.信頼を効用する
4.相互に新規
5.守秘義務  とのことであった。
人材


人材がほしいという。

人材を見る時に100の見るべき視点があるとする。

そのうち点数を付けられるのは1/3である。

点数がつけられないのが2/3である。

この2/3にこそ、会社の従業員に是非ほしい必要な要素が含まれている。

(ある経営者から教えられた言葉)
お金の歴史は1万年

橘 玲 さんのブログを読んでいたら 先日の私が納得した
空腹な時代が人間の歴史であるため肥満になると病気になるという話と 
どこか似ていることが書いてありました。



橘玲 公式サイトから引用

「貨幣というものができたのはほんの1万年前くらいですから、
人間の遺伝子は『金を稼ぐこと』で幸福感を得られるようにはできていない。
人間は社会的な動物なので、『共同体の中で承認されること』に幸福を感じ、
村八分にならず生き延びた個体が子孫を残してきたはずです。

貨幣になれていないからたとえ金銭的に豊かでも不満を抱える。
日本社会はとてつもなく豊かだと バブル時代よりも豊かだと私は感じますが、
世間では貧しくなったという人が多いようなのもこのためでしょうか?
経営革新 いろいろな改革を同時に行う

ある経営者の集まりにて経営革新の必要性を改めて感じました。


その会社は、企業向けのサービスを行っている会社です。
その業界では30年間大手に阻まれて中小規模の限界的な会社であったとのこと。
5年前に経営者が交代し5年間で売上高が2倍に伸びた企業です。

その理由を内部の幹部の方に聞きました。


①新しい経営者に交代。経営者自身がこの業界に長年いた人ではなく、外部から来た人のためその業界の常識にとらわれずに経営の改革を行った。


②思い切った投資を行った。その投資とは、物理的な投資ではなく、サービスに関するシステム等の投資である。

1つのことだけではなく、お客様に対するサービスについて重点と思われる5つのポイントに絞り5つの分野に思い切った投資を行った。
お客様に対するサービスは向上するのであるが、料金の引き上げは行っていない。


サービスの改善については外部から異業種経営者の意見や、東京に事務所を設け、営業にかよう中で競合相手、業界内の色々な最新の情報をもとにサービス競争を行ったとのことである。


ある経営の本の中に、改善はひとつだけ改善するのではなく、出来るだけ多く行え、それも同時に行えという言葉があった。それを実践しているのだと思う。


実際の損益の数字は分からないが、相当な先行投資を行ったことだけは間違いない話である。
経営は改善していくのでは追いつかない。経営は革新しなければならない。
香港の会計事務所の講演

香港の税務会計

東京で行われた会計士のグループの研修会に香港からCWCC(200人程度の会計事務所、主に香港を本店とし中国に支店を出している会計事務所)のパートナーがやって来て、香港への進出を促す色々な税会計制度について説明してくれた。


法人税の税率、香港16.5%、シンガポール17%、中国本土25%。
所得税、香港15%、シンガポール20%、中国本土5-45%。
付加価値/消費税、香港0%、シンガポール7%、中国本土17%、等の説明があった。


会社を設立するのも、ビザを取るのもかなり簡単であるらしい。
香港に会社を作り、そこを経由して中国等へ企業進出する場合の税法上のメリットの説明もあった。


テクニカルな話が非常に多かったのであるが、それよりも驚いたのは香港に日本企業の進出を促すため香港の政府の部門として、香港経済貿易代表部が日本にも置かれていること。
香港の会計事務所が日本の企業の進出の為に2時間足らずの研修会の為に香港からわざわざ日程を合わせて来ているとのことである。


そういえば、日本ではジェトロといって有名な日本の輸出を支える事業団もありますし、逆に同じジェトロが日本への企業進出を頑張っていますが、勢いが違うと改めて感じました。
要は、香港にお金がくれば働く人が増えるわけですから、香港経済とそこで働く人たちが豊かになるわけですから香港の意気込みも分かります。


法人税の実効税率は日本も40%から5%程下げようということを今言っています。日本の政府税制調査会で検討しているのですが、別に法人税を安くしようという検討ではありません。
課税所得×税率が法人税額です。この税率を下げよう、法人税額は下げない、即ち課税所得の方を増やすということを言っています。つまり、税率は下がるが、税負担は現在と変わらない(企業の全体として)という考え方です。


5%下げても34%です。香港の16.5%とかなうわけがありません。一般的にEU諸国が20%から25%の間と言われていますから、いかにも日本の税率は高すぎます。


グーグルの決算書を見てましたら、米国の法人税の連邦税率は35%であると書いてありますが、実際の税引前所得に対する所得は20%でした。それについての注記では、米国外の安い税法の活用である部分が大部分という注記がついておりました。

これは相当難しいですよね。
税務申告のインドへのアウトソーシング

日本で最大級の税理士法人の現状を聞く機会がありました。

その税理士法人は海外の監査法人会計事務所のグループに入っており外資系企業や組織再編等の税務コンサルティング、移転価格税制等の業務があります。
さらには、日本にきている海外の人達の所得税の申告も行っています。
例えば、日本に来ている米国の人の所得について日本の税法により日本国内で所得税の申告をすると共に本国でも米国の税法(場合によってはさらに州法)による所得税の申告をするという形になります。
従ってとても複雑、且つ困難な業務になります。個人の所得税は個人の会計事務所では売上に占める比率が低いのですが、さすがに海外が絡むと大手の事務所になると売上のかなりのウエイトを占めている。

ところが、今日本の不景気、日本のデフレ環境の中では極めて厳しい値引き要求がきている。 そのため、所得税(外国人の所得税の申告)にあたってはインドのチームにアウトソウシングしているとのこと。
日本にいる外国人との所得税の確定申告によるコミュニケーションは主に英語ですのでインドの人でやっても全く差し支えないとのことであります。

米国の会計事務所では、単純な作業はインドやフィリピンに外注するという話を聞いたことがありますが、日本においても日本国内の少なくても外国人についてはインドにおいて外注されてます。

この流れは当分続くのでしょう。
日本は豊かになっている


全国の会計士約70名で作っている研修会に参加のため東京に出張。

その会計士のグループの研修会会場は今回は東京ステーションコンファレンス(東京駅のすぐ側にできたサピアタワー)で開催された。
東京駅の側の新しい高層ビルの一角である。ちなみに、会議場の料金表があるので見てみると、154㎡で8時間276,800円であった。
実際には2日間やっているのでこれの倍ぐらいかかっているはずである。
わずか40人足らずの出席者ではあるが、こういう会場でできるようになったと大変ありがたいなと改めて感じる。


東京駅の周りを見渡すとみな真新しい高層ビルがいくつも建っている。こういうのを見ていると日本は豊かになったなと思う。
昔の出来るだけ安い公共の会議室を探していた時に比べ、この勉強会の会計事務所のメンバーも豊かになっているし、また日本経済そのものも相当豊かになっている。


実感としてはすぐ目先のことだけ見がちですが、統計的な数字だけでいえば、日本のピークはここ10年くらいずっと継続しています。
なにしろ、あのバブルのころよりも国民の平均的な給料も高く、且つ国民の持っている個人金融資産も増えています。


しかし、この閉塞感。単純にいえば、去年よりも今年の給料が目に見えて上がっていないから、会社の社員数が増えないから、
なんとなく将来に対する不安感を持っているのかなという気がします。


研修会の後、食事会をしながら改めてそのようなことを感じていました。
義援金とふるさと納税


東北大地震の惨状には声も出ません。また、福島原子力発電所の状況は油断を許さないとのことでとても心配しています。
心よりお見舞い申しあげますとしか言いようがありません。

 さて、私の周りでもたくさんの義援金の運動が起きています。それはそれで立派なことですし、協力させていただきたいと思っています。

 こういう義援金の時などに税金の話をすると反発される方もいらっしゃいますでしょうが、個人の寄付に関する税金の話をさせていただきます。

 仮に支援金を赤十字等へ寄付した場合、所得税の世界では寄付控除の対象となります。
寄附金控除とは、寄附金マイナス2,000円(例 10万円寄付したら9万8,000円)が所得控除の対象とされ、その方の課税所得に応じ所得税・住民税が軽減されます。



課税所得 1,000万円の方    軽減税額 42,100円

課税所得  300万円の方   軽減税額  19,600円



この申告には、赤十字など税法で認められている団体に寄付すること、及び、領収証が必要です。
目的が義援金としても、不適切な団体への寄付は、この特例は受けられません。



もう一つ個人で協力できる方法としては「ふるさと納税」というのがあります。

「 ふるさと納税」とは単純に言えば、地方税は自分が住んでいる県・市町村に納めるのですが、
その一部を自分が選んだ県や市町村に寄付しようというものです。

東北の市町村を調べてみますと、いずれも「ふるさと納税」制度があります。

直接被害にあった各市町村にふるさと納税された場合には5,000円を除き一定額所得税・住民税が軽減されます。
このような税金ということだけではなく、確実にその市町村の為に役立っているということを実感することができます。



ただし、ふるさと納税は事前に市町村役場に寄付する旨の申し出を行い、振込み用紙を送付してもらい、銀行で振込みます。
後日、受取証明書が送られてきますので、その証明書を添付して確定申告することになります。



当分の間、被災地の市町村役場はふるさと納税どころではないでしょう。
復興にはそれなりの年数がかかりますから、実際にふるさと納税できるのは来年になるかもしれません。

 何年間か ふるさと納税を続けて、市町村を応援する気持ちを表すこともできます。



私は学生時代、松島から中尊寺、遠野を通って三陸海岸を旅行した記憶が鮮明に蘇ってきます。
その時泊まった町や市に、ささやかながらふるさと納税という形をさせてもらいたいと思っています。

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このようにふるさと納税は 税収が激減する被災地の地方自治体に 直接 寄付する方法ですが、寄付を受ける側の事前対応が必要になるため 
ふるさと納税はしたいが実際寄付できるのは年末になってからだろうと思っていました。



ところが 総務省が 今回は 赤十字などの特定の義捐金口座(ただしどの自治体に寄付されることになるのかは不明)や特定の各自治体の義援金の
寄付口座にふりこめば自治体からの事前の振込用紙や自治体からの領収書なしにふるさと納税と認めるという特別な取り扱いをすることを4月5日にきめました。

縁のある特定の自治体に支援をしたい方は利用されることをお勧めします。
危ない 危ない


税法の話ですが、父、母や祖父母等から住宅の新築等の為に資金の贈与を受けた場合には、本来の贈与税の基礎控除110万円に加えプラスαがあります。

かなりの金額まで贈与税がかからないという制度です。

単純な贈与の場合は所得2,000万円以下の子供が金銭の贈与を受けた場合、平成22年中に贈与を受けた場合は1,500万円迄、平成23年度に贈与を受けた場合には1,000万円迄特別に贈与税の課税対象から除いてあげますよというルールになっています。


これを受けると贈与税が随分と助かるのですが、要は親から資金援助を受けて早く家を建てて欲しいという景気刺激の為の制度として導入されたものです。平成22年税制改正で導入されました。
早く景気回復に資する為に平成22年度中(税法の世界では平成22年12月31日迄)に住宅資金の贈与を受けて翌年3月15日迄に住宅を新築した場合には、贈与税がかからない金額を1,500万円増やしてあげるという特例です。
しかし、贈与を受けたのが平成22年度の翌年の平成23年であった場合にはその贈与で特別に引いてくれる金額が1,000万円ということになります。
では、家はいつまでに新築しなければならないかというと翌年の3月15日迄ということになっています。


単純にそのように記憶していたのですが、質問を受けました。
家の建築が翌年3月15日迄に間に合わない、少し遅れそうだ、何とかなりませんか。という質問です。
単純に、3月15日までに新築が条件です。と電話では応えたのですが、気になったので条文を改めて見直してみました。
そうすると、私が勘違いしていたことというか確認不足がありました。


それは、新築の場合3月15日迄に建築が終わらない場合にそれを救うような規定があったのです。

法律的な用語を使えば、住宅用家屋の新築(新築に準ずる状態として財務省令で定めるものを含む)が条件とされていました。

さらに見ていきますと、新築に準ずる状態とは、屋根(その骨組みを含む)を有し、土地に定着した構築物として認められるとき以降の状態とする。という言い方でした。

この1,500万円の住宅資金の贈与特例を受ける為には平成22年中に贈与を受けた場合は平成23年3月15日迄に贈与税の申告をしなければなりません。

その時には新築した住宅についての証明書を色々提出する必要があります。当然その時点ではまだ出来あがっていませんから、そういう証明書は出ません。

そこで、新築工事を請け負った業者が新築に準ずる状態にあることと、且つその工事の完了予定日を証明すること、とされています。

もちろん、3月15日以降、住宅が完成した場合はその不動産の登記事項証明書や実際に住み始めたという証明書である住民票の写しなどを出す必要があります。


毎回毎回 仕事をするときな必ず、きちんと条文を確認しておかないといけないなと改めて肝に銘じたしだいです。

お客さまと会食する

福岡・宗像市の神湊の割烹旅館でお客様と会食させてもらいました。
そこで、お刺身に「玄ちゃんアジ」が出てきました。
玄ちゃんアジとは、関サバ、関アジに対抗して地元の漁協がブランドとして育てようということで今頑張っている玄海灘で取れるアジのことです。
一本釣りで漁され、捕獲から板前さんに調理されるまで、直接人の手に触られることのないよう徹底的に管理されているアジとのこと。
人間の体温は魚からすると高いので、人の手で触ると魚がやけど状態で損傷してしまうとのことです。

玄ちゃんアジということで、地域ブランドとして育てようということで一生懸命です。
もうひとつ、地元で頑張っている魚としては「玄海とらふぐ」というのがあるとのこと。ふぐといえば下関が有名ですが、下関で港に持ち込まれるふぐの半分は地元で獲られているとのこと。
この下関に揚げているふぐの一部を地元で玄関とらふぐという名前でブランド化して消費してもらおうという運動をしているとのことです。

同じものでも、ブランド名が付くのと付かないので大きな値段の差がつきます。
そういえば以前、「関サバ、関アジといわれていますけども、こちらで陸揚げされているサバもアジも同じ海域でとっているんですけど…」と悔しそうに話されていたある瀬戸内海の料亭の方の話を思い出しました。
何かといえば流行のようにデフレ 値下げ 価格競争という言葉が飛び交っていますが ブランド化することによって品質プラスアルファの価値をつけて販売できるようになりますが ブランドを作るには一苦労ですね。

標準品と付加価値


"ある会社の会議で社長が言った言葉

今、ほとんどの商品が標準品になっている。標準品になっている以上、競争が価格競争に流れてしまう。社長の推定では、その会社の従業員の給与は競合相手の会社よりも年間一人百万円程高いらしいとのこと。
製造業である以上、中国で生産したいという誘惑は強い。しかし、その社長が仰るには、それは一番安易な道である。
どのように他の会社の製品と差をつけるかということがポイントだ、ということであった。付加価値をどう付けようかと大変苦労されてらっしゃる。"



 この話を聞きながら、自分自身を振り返りました。

一般に会計事務所業界の商品そのものがいわゆる会社の決算書の作成や税金の申告書の作成そのものが標準品というか、決まりきったものになっている。
事務所を開いたときお客様の問題を解決しよう。個別の課題に対応しようと思ってきました。最近では事業承継やMA,さらに会社再建などのアドバイス業務です。
しかし、税務顧問としての業務も増え、職員の数も増えてきた。
気がつけば 事務所の収入のかなりの部分が標準品になっているのではないかと恐れています。

ある人の言葉をかりれば、会計事務所業界の商品は決算と申告であり40年間変わっていない。
ところが、今、会計事務所に求められているのは、長期的には経営者に対して会計の面からいえば、どのような方向へ会社をもっていけばいいのかアドバイスをすることである。
ある調査によれば経営者から会計事務所に期待されているのは資金繰りの相談、対銀行の相談が一番多いという。特に、中小企業で利益が出ていない会社にとっては、資金繰りをどうするかということが大きな経営課題になっている。
売上の黒字が出ていない会社が全体の8割とも言われている中、会計事務所に求められる業務と事務所で提供しているものとをどう一致させていくのか、いつも思い悩んでいます。
スイッチ・オンの生き方
   遺伝子が目覚めれば、人生が変わる


「スイッチオンの生き方」 村上和雄 致知出版を読む。

サムシンググレートが遺伝子を目覚めさせる。
という言葉で有名な村上和雄先生の本を読みました。
村上先生の本は好きで今までも何冊か読んでいます。
この本は何ヶ月か前に買い積ん読をしていたのですが、ふと思い立って読みました。

驚いた言葉
人の体は少なくとも60兆の細胞 命の集まりからできている。
それらを休みなく調和を持って働かせているのは60兆もの細胞にそれぞれはいっている遺伝子である。
遺伝子は60兆個いずれも全く同じである。


村上先生の話は 遺伝子のサムシンググレイトを動かすためには

1 明るく
2 前向きに
3 笑顔で
生きるという言葉にまとめられています。

味のある言葉がちりばめられていて 私は好きです。
企業の格付けと国の格付け


格付けの意味
ムーディーズやS&P等によって社債や国債について格付けが行なわれています。
日本やアメリカの格付けがひとつ下がったとして大きな話題になっています。

読売新聞
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが24日、日本国債の格付けを9年3か月ぶりに引き下げたのは、東日本大震災のダメージに加え、政治の混迷で財政再建が進みにくいと判断したためだ。8月25日
米国も同じです。
日本AA-  米国 AA+



ムーディーズで実際に格付けの責任者を務めていらっしゃった方が公認会計士の集まりで、格付けの話をされてらっしゃいました。

私の理解が間違っているのかもしれませんが、ハッと思ったことがあります。
格付けということを一般的に言うと次のような表現になるそうです。
”格付けというものは利用者のニーズに対応して格付けをしなければならない。従って、社債かどうか、それも年金基金等が保有する社債(投資適格等旧社債)等では実際に社債を払えなくなる、未回収になる、いわゆるデフォルト率が極めて重要です。
ところが、投機的格付債(よくジャンクボンドといわれる)においては、デフォルトする率も問題でしょうが、それよりもデフォルトする確率が高いのですが、実際にデフォルトが起きたときに社債の元本の20%が返ってくるのか、50%が返ってくるのかということも投資家にとっては重要な意味をもちます。
従って、予想信用損失の大きさというものが大きなウエイトをもってくるとのこと。
これに対して、地方債や国債等については、国の格付けは少し考え方が違います。
国債は日本の国債であれば日本銀行が円のお札を、アメリカの国債であればアメリカの連邦銀行がドルのお札を印刷すれば返せることは返せるのです。

ギリシャ等が問題となっているのは、ギリシャはユーロのお札を自由にすることが出来ないからユーロで借りているお金を自由に返すことが出来ないという話であります。


日本とアメリカは状況が違う。
そこでは何が重要視されるかというと、国債は少なくても返ってくるということはまちがえない。
しかし、問題なのは返ってくるときの価値、つまり、よく言われるような大変な大インフレが起きて100万円のお金が100万円の価値では返ってこないという事に着目して、返ってくるかどうかということが重要な話である。

一般企業のようにデフォルトする、本当に返せなくなるという話ではなく、日本やアメリカでいえば、相対的な財務力、きちんと価値を損なうことなく経済運営が出来ていくのかどうかについてが、一番重要な話であるという事を考えて国債の格付けをするのだ。
従って、通常の会社の社債のような意味とは同じ格付けという言葉であっても意味が違いますよということです。
国の格付けをする場合には、きちんとした財政規律をもって、インフレ等を起こすことなく通貨の管理ができるのかどうか、というところが大きな意味を持つのだという話でありました。

国債の格付け、国債は破綻しない、国債は必ず返ってくる。しかし、国債が返って来るときの価値が問題なのだ、その国の財政運営なり財政規律の実行能力なり税金の取り立て能力なりで見るという話でありました。

格付けは格付けされている商品によって違うということであります。

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