医療経営のための税務調査対策 Q&A

  • Q 04 休日診療による手当
  • A 04

     自己責任において独立的に営まれる医業とは認められず、かつ固定給の性格が強いと認められる場合には、給
    与所得となります。医師や弁護士のような、いわゆる自由職業者が役務提供の対価としてうけるものは、原則と
    して、それが雇用契約に基づくものであれば給与所得に、委任契約に基づくものである場合には事業所得として
    取り扱われることになります。
     すなわち、このような所得については、その役務の提供に雇用契約に近い拘束 (例えば、役務のないような時
    間などに相当の拘束があることなど) があり、かつ、手当等の支払い時期や金額があらかじめ一定している、い
    わゆる固定給の性格が強いものは給与所得とし、それ以外のものは事業所得として取り扱うことが合理的と考え
    られます。

     ご質問の場合は、市などの地方自治体が備え付けた施設・器具や医薬品を使用して診療に当たり、医師に対す
    る報酬の支払基準が患者数や診療の程度にかかわらず定額であることですから、その報酬はいわゆる固定給の計
    画が強いと考えられますし、また、自己の責任において独立的に営まれる医業とは認められませんので給与所得
    として取り扱われることになります。 (所基通28-9の2)

    また、医師会によっては、輪番制で個々の診療所で自己の設備や医薬品を使用して診療等を行い、診療報酬とは
    別に市から休日診療手当てとして、定額の支払いを受ける場合がありますが、この場合自己の責任において独立
    的に営まれる医業の一環と認められます。
     したがって、地方自治体から支払いを受ける休日診療手当ては事業の遂行に伴って付随して生じた収入として
    事業所得の総収入金額に算入することになります。 (所基通27-5)
    なお、この休日診療手当は、診療収入以外の雑収入として計上することになります。