医院開業と経営 Q&A
- Q1「青色申告」とはどのような制度ですか?
- A1(1)青色申告の特典
■開業医の場合
所得税の青色申告には下記のような特典があります。
.生計を一にする親族に支給した給料を必要経費に算入できる。
.損失が生じた場合は3年間の繰越控除ができる(繰戻還付も可能)。
.65万円の青色申告特別控除を所得から控除できる(小規模事業の場合は10万円)
.業務に直接必要な家事関連費を必要経費に算入できる。
.売掛金等に一定率をかけた金額を貸倒引当金として計上できる。
.中小企業者に該当する個人は30万円未満の少額減価償却資産を一括して必要経費算入できる。
.割増償却、特別償却で課税所得を減らせる。
.所得税額から各種特別控除額を控除できる。
■医療法人の場合
.欠損金が生じた場合は、7年間の繰越控除ができる。
.中小法人は、欠損金の繰戻還付が可能となる。
.特別償却、各種準備金の計上により課税所得を減らせる。
.所得税額から各種特別控除額を控除できる。
.中小企業者等は、30万円未満の少額減価償却資産を一括損金算入できる。
(2)青色申告の適用要件
青色申告には上記のような特典があるかわりに、いくつかの適用要件があります。
.すべての取引を複式簿記により整然かつ明瞭に記帳しなければならない。
.仕訳帳、総勘定元帳等の帳簿を作成、整理、保管する必要がある。
.青色申告書に貸借対照表及び損益計算書を添付する必要がある。
.帳簿書類(契約書、領収書等を含む)を7年間、整理保管する必要がある。
.期末に棚卸資産の棚卸等決算整理を行ない、記録することが必要。
(3)青色申告になるための手続き
■開業医の場合
.青色申告を認めてもらうには、申告書を提出しようとする年の3月15日までに、青色申告の承認申請書を税務署長に提出しなければならない。
※新規開業の場合、業務を開始した日から2か月以内に申請が必要。
■医療法人の場合
.申告書を提出しようとする事業年度が始まる日の前日までに、青色申告の承認申請書を税務署長に提出しなければならない。
※設立第1期目については、設立日から3か月後と決算日とのどちらか早い日の前日までに申請が必要。
なお、青色申告承認申請書は毎年提出する必要はありません。提出後は自動的に承認されます。