「節税」を考える際に、最もしてはならない間違いは何でしょうか?
これは相続税だけでなく、所得税、法人税等にも言えることですが、「節税は手段であり目的ではない」ということです。
節税が目的ならば簡単です。
相続税を少なくしようと思えば死ぬまでに全部使ってしまえばいい訳です。
これなら税金は掛りません。でも何か大きく違います。これでは大切な奥さんやお子さんに財産が残らないから意味がありません。
「目的」は「節税すること」ではなく、「できるだけ多く強い財産を残すこと」でしょう。
「節税」はその「目的」を果たすための「手段」だということを忘れてはいけません。
これを忘れると、例えば、安直に相続税のことだけを考えて、収益マンションを購入し、建物や土地の評価を利用して相続税を下げても、相続の後、そのマンションが空室だらけになり、家賃で借入金が返済できなくなることだって十分に考えられます。
相続税対策の多くは資産の組み換えが伴います。
ただ、それは相続後に大きな影響を与える可能性があることを忘れてはなりません。
節税には、

相続財産自体を減らす方法(生前贈与、相続時精算課税制度の活用等)

相続財産の評価を下げる方法(収益マンション建築等)

基礎控除を大きくする方法(養子縁組)

税額控除の活用(配偶者の相続割合で調整等)
がありますが、どれもデメリットがないわけではありません。
相続対策には節税方法のメリット、デメリットを理解して、将来の予測も踏まえた上で慎重な判断が必要です。