所得税確定申告の統計で思うこと

 平成31年3月に平成29年度中の所得税の確定申告についての統計が公表されています。

 全国の確定申告数は21,946千件とのことです。この統計を間違えてはいけません。所得のある人、ない人色々ありますが、まず日本の大部分を占めているサラリーマンで年収2千万円以下は原則年末調整だけで終了しています。

 また、年金をもらっている人も多いのですが、年金も源泉徴収だけで終わっています。これらの人は源泉徴収された税額が多すぎる、つまり医療費控除等申告すれば返してもらえる、もしくは、年金の他にも不動産所得などの所得があるという人が確定申告をした方が有利ですので申告をされます。

 つまり、全国21,946千件といっても、このうち1200万件くらいは還付の確定申告です。600万件位がいわゆる源泉徴収されている金額以外に税金を追加で納めるという形での申告です。

 また、税金は出ないのですが、単に国民保険料のために確定申告するという方もいらっしゃいます。

 いづれにしても、そのような方々の中で統計を見てみると、大体1千万円以上の所得のある人が1,355千人が全国ベースです。福岡県では、43,903人が1千万円以上の所得があるとの事です。

 なお、福岡県で申告された人は799千人ですから、約5.4%の人が1千万円以上の所得があることになります。

 このうち、1千万~2千万円の所得の人が30,475人だそうです。2千万~5千万の人が11,120人、5千万円以上ある人が2,308人との事です。

 全国ベースで見てみると、100億円以上所得がある人が14名いらっしゃったのですね。

 国税局は所得の従事している業種ごとの所得データ、県別データなど色々なデータを公表しています。

 話のネタとして紹介させてもらいました。

 もともと、納税番付というものが20年程前までは公表されていました。所得税が1千万円を超える方々の公表がされていたのですが、プライバシーの問題という事でそれが廃止になったのは良いことです。

 所得税の納税番付にのりたくないという希望は非常に多く、どのようにして載らずに済むのか、所得税の番付が出そうになると東京等に住民票を写して(東京は人口が多いので、東京の納税番付に出ても地元の納税番付には載らない)とか、あえて確定申告では少ない金額を申告し、納税番付に載る期日が終わってから修正申告をするなど、色々なテクニックがありました。

 世の中には所得番付に載ると大変面倒な事になることが多かったのでしょう。敢えてそこまでの努力をする人が身の回りに多くて色々不便な事もあるのだな…と感じていました。

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お金持ちになる方法について考える

 私はお金・土地・株など財産の運用について仕事柄関心をもち独立した。ちょうどそのころに日本に導入され始めたファイナンシャルプランニングの勉強で資産運用について浅く広い知識を得られることを知りました。

 お金の面から収入と家を買うローンを返済する、子供の学費などの支出とを年度別に組み合わせて破綻しないように計画することをライフプランといいます。

 そして、自分の財務面での人生設計を作るということについて真剣に考えるようになりました。

 ついにはファイナンシャルプランナーの資格のなかでもCFAまでとってしまいました。

 そのような中で経済的独立性という言葉を知り、働かなくても生きていけるような立場になるにはどうすれば良いかという事について漠然と考えていました。

 その時、一番刺激を受けた話は、1997年に出版された『隣の億万長者The Millionaire Next Door』というトマス・J・スタンリーの本でした。

 100万ドル(大体1億円位)程度の財産は普通の人も築けるという本です。トマス・J・スタンリーは大学教授でしたが、色々豊かな人々を調査した結果、普通に100万ドルをもっている人は普通の人々が住んでいる街中にもたくさんいるのだ。その人たちは普通の収入か、あるいは普通の人よりは少し多いくらいの収入かもしれないが、節約した生活を送っていき、かつその節約したお金を安定した財産をうむものに預けていけば、きちんと1億円程度の財産は引退する時にはきちんと出来ているという話でした。

財産を築くルール

 収入-支出 = 残るお金

 残るお金を運用していくと、財産になる。

 収入を増やす、支出を抑える、残ったお金を運用する

 この本に大変刺激を受けました。

 その本の直ぐ後にアメリカでは同教授による次の本The Millionaire Mindが出版されたそうです。

 先日、たまたま、私はその本を本屋さんで見つけました。最近出版された本です。ただし、その本の題名はあかぬけてなく、『1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました』という本です。これよりはMillionaire Mind、100万長者の人がもっている心がけの方がきっと売れたとは思いますけれど。。。同じ題名で別の方の別の本が出版されているのですね。

 この本も隣の億万長者と同じような話ですし、特に億万長者の方のアンケートを通じて出された、億万長者の人が心がけていることの本ということであり、現に億万長者である人たちにアンケートをとっているという事で根拠が示されていないお金持ちの共通点などの記事よりも信頼性が高いと思います。

 書いてある内容は基本的には隣の億万長者に書いてある内容と同じであり、より詳細に心がけることが書いてあるように思います。

 隣の億万長者では資産は収入が多いことによって資産が築けるのではなく、収入と支出の差から生れ出るものをいかに安定的に貯蓄し、増やしていくのかという話を中心にすえてあります。公立学校の教師程度の収入であっても億万長者の仲間入りができ、退職後の生活に不安を感じないなどのたくさんの例が出てきています。

 私の会計事務所では、相続税の申告をたくさん手がけています。

 地主さんでない方の相続税の申告も多く、地味な生活をされていた方でも“こんなに”と驚くような預金やや有価証券をお持ちの方も多いです。

 色々な統計によれば、日本でも20世帯から30世帯に1世帯ぐらいは、金融資産だけで1億円を持たれているようです。

 会社を退職されて年金生活に入られても、金融資産が1億円あれば安心ですね。

注) 英語でお金もちのことをMillionaireと言います。今、100万ドルは1億2,000万円ですので、日本語訳では億万長者としています。

 野村証券のリサーチでは富裕層という表現をしています。

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