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親族への事業承継のポイントについて教えて下さい。

A.1
最も一般的な事業承継ですが、時間をかけた事前の対策(相続対策など)が必要になります。また、事前の対策をするのとしないのではかなり違いがでるケースが多いです。

(1)事業が個人経営の場合
相続になった時、原則として亡くなった方の所有する財産は、相続人への分割対象となります。したがって、事業を継続するために必要な事業用財産も分割対象に含まれることになります。後継者以外の相続人に分割されると事業承継できない場合も想定されます。永続的な医療の継続という社会的使命のためにも、生前贈与や遺言等事前対策が大切になります。

(2)事業が医療法人の場合
医療法人を事業承継する場合に考えなくていけないのは、医療法人は所有と経営が分離しているため、出資持分(財産権)の承継と理事長職(経営権)の承継が必要になります。
出資持分(財産権)の承継とは、医療法人に出資した持分相当を譲渡、贈与、相続によって親族に承継することです。
現金や土地、建物等を出資して医療法人を設立した場合、その出資した持分は相続税の対象財産になります。通常この出資持分は、医療法54条で配当禁止されていることもり、出資当初よりかなり財産価値が増加しているケースが想定されます。そこで事前対策を行うことにより出資持分の評価の引き下げが可能かどうかを検討していく必要があります。
次に理事長職(経営権)の承継については、後継者である親族に理事長職を譲る(理事長の交代)ことです。社員総会や理事会等きちんとした諸手続を経る必要があります。ここで注意したいのは役員職である理事(長)職と合わせて、医療法人の最高決議機関である社員総会の構成員である社員の立場の承継も忘れずに行うことです。 

 

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