Q.10
自分は勇退し、子が医院を継いだ後に、その子から勤務医として給与を受け取ることはできますか。給与はこの医院の必要経費になりますか。

 

 

A.10
 勇退後の給与を必要経費に算入することは可能です。ただし、医院を継いだ子と生計を一にしているか否かにより適用する規定が異なります。

(1)親と子が生計を一にするケース

①青色事業専従者給与の特例
 承継後に親が子の医院から勤務医として給与を受け取る場合、親子が生計を一にしているときは、原則としてその給与は子の事業所得の計算上必要経費になりません。ただし、子が青色申告書である確定申告書を提出し青色事業専従者給与に関する届出書に記載した方法に従って、記載されている金額の範囲内で、青色事業専従者に支払った労務相当の額は必要経費に算入することができます。なお、青色専従者に支払った労務相当の額は必要経費に算入することができます。なお、青色事業専従者に該当し、給与を受け取る場合には、その金額の多寡に関係なく扶養親族にはなれません。青色専従者になるためには次の要件を満たさなければなりません。

・青色申告者である新院長(子)と生計を一にする親族であること
・年間6ケ月超の期間、子の経営する事業に専ら従事していること

青色事業専従者の特例の適用を受けようとする青色申告者は、その受けようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後新たに事業を開始した日や新たに専従者がいることとなった日から2ケ月以内)に、青色事業専従者の氏名、その職務内容、給与の金額、支給期等を記載した「青色専従者給与に関する届出書」を、税務署に提出しなければなりません。なお、青色事業専従者に該当する人は、控除対象配偶者または扶養親族にはなれません。

②事業専従者控除
 承継後の院長(子)が白色申告書である確定申告書を提出している場合に、生計一の親族がその医院の事業に専ら従事しているときには、給与支給の有無に関係なく、下記の①又は②の金額のうちいずれか低い金額が事業専従者控除額としてその院長(子)の所得の金額の計算上、必要経費とみなされます。
 (イ)500,000円(配偶者である事業専従者は860,000円)
 (ロ)事業所得等の金額÷(事業専従者の数+1)
なお、事業専従者に該当する人は、控除対象配偶者又は扶養親族にはなれません。

(2)親と子が生計を別にするケース
 
親子が生計を別にする場合には、親がその子の経営する医院から勤務医として受け取る給与は、第三者である使用人と同様に取り扱います。したがって、その給与は子の事業所得の経費となります。

 

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