Q20.医療法人の運営機関等について教えて下さい

 

A20.株式会社との比較で見た場合、下記のようになります。
医療法人の機関としては、社団医療法人は、「社員総会」と「理事会」、また財団医療法人は「理事会」と「評議員会」の2つがあります。
社員総会
社員総会とは、社団医療法人に置かれる機関(会議)で、社団医療法人の構成員である「社員」により組織されるものです。社員総会での意思決定は、医療法人の意思決定となります。
社員総会は、医療法人の意思決定機関のうち最高の機関として位置付けられています。したかって、次のような医療法人の運営事務の基本的、かつ、重要な事項については必ず社員総会の議決を必要とします。
①定款の変更
②基本財産の設定及び処分(担保提供を含む)
③毎事業年度の事業計画の決定及び変更
④収支予算及び決算の決定
⑤剰余金又は損失金の処理その他重要な事項
社員総会の議長は社員総会で選任されます。
社員総会は、定款に別段の定めがある場合を除いて、総社員の過半数の出席がなければ、その議事を開き、議決をすることはできません。
社員総会の議事は、定款に別段の定めがある場合を除いて、出席者の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによることとされています。
この場合、「社員は、各1個の議決権を有する」とされています。

理事会
医療法人は、役員として、理事3人以上及び監事1人以上を置かなければならないと規定されています。この役員のうち、理事の集まりによる機関が理事会です。これは、社団医療法人ともに置かれる必置機関となっています
1.社団医療法人の理事会
社団医療法人の場合の理事会は、社員総会におうて決議された法人の意思決定を円滑に進める職務執行機関に相当するものとされています。
2.財団医療法人の理事会
財団医療法人の理事会は、事実上の意思決定機関であって、かつ、職務執行の機関とされています。

評議員会
評議員会は、医療法人の業務若しくは財産の状況又は役員の業務執行の状況について、役員に対して意見を述べたり、その諮問に答えたり、役員から報告を徴する機関です。
理事長は次に掲げる事項について、あらかじめ、評議員会の意見を聴かなければならないこととされています。
①予算、借入金(当該会計年度内の収入をもって償還する一時の借入金を除く。)及び重要な資産の処分に関する事項
②事業計画の決定又変更
③寄附行為の変更
④合併
⑤目的たる業務の成功の不能を事由とした解散
⑥その他医療法人の業務に関する重要事項で寄附行為をもって定めるもの
なお、これらの事項は、寄付行為に評議員会の議決を要するものと定めることができることとされています
評議員となることができるものは次に掲げる者です
ただし、その財団医療法人の役員との兼任はできません
①医師、歯科医師、薬剤師、看護士その他の医療従事者のうちから、寄附行為の定めるところにより選任された者
②病院、診療所又は介護老人保健施設の経営に関して識見を有する者のうちから、寄付行為の定めるところにより選任された者
③医療を受ける者のうちから、寄附行為の定めるところにより選任された者
上記①〜③に掲げる者のほか、寄附行為の定めるところにより選任された者

 

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