Q30病医院の環境が厳しくなっていくのは感じていますが、経営改善にどのように取り組んでいけばいいのか分かりません。

 

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経営を改善するということは、いかに利益を拡大していくかということになりますが、利益を拡大するためには基本的には「収益の増加」か「費用の削減」のどちらかしか方法がありません。経営改善における基本的な考え方や実践していくポイントとして、次のようなもの挙げられます。

(1)収益の増加を図る改善
・延べ患者数を増やす
1日あたりの延べ患者数を増やすには、患者の満足度・信頼度・安心感を高め、そのクリニックが診療圏内の患者にとって必要不可欠の存在として認識される必要があります。 そのような存在となるためには、自院の強みを活かして競争力をつけ、競合する病医院に勝てるクリニックにしていかなければなりません。
また、他の病医院と連携し、紹介の促進、機能分化を行うことによって、地域医療を担う中での役割分担を明確にすることで、新しい患者の獲得を狙ってゆきます。 さらにクリニック側としては、患者数の増加に耐えられるよう、診療の作業効率を上げる努力をする必要があります。
これらを実践していくには、定期的に、診療圏分析や、患者の満足度を測るためにアンケートを実施すると効果的です。

・患者1人当たりの収入を増やす
現在の診療報酬体系を把握し、場合によってはクリニックの診療科目を見直して、受け取れる診療報酬の枠を広げていくことを検討してみてもいいかもしれません。
すぐに実践できることとして、診療報酬の回収漏れをなくすための請求漏れや、未収金の削減を早急に進め、本来なら受け取れるはずの報酬を回収できていないということがないようにしていくことが考えられます。
また、保険点数の必要要件を具備した点数加算や、自費治療を多く獲得するなどの努力を常日頃怠らないようにすることで、患者一人当たりの収入の増加を図ってゆきます。

(2)費用の削減を図る改善
・人件費等の費用
外部に業務委託をしてコストダウンを図る方法と、現状の業務内容の見直しをして作業効率を上げる方法等があります。
業務委託の場合には、委託業務の実施状況を測定、分析し、非効率な業務や仕様について定期的に契約内容を見直しすることで、費用の削減を図ってゆきます。
現状の業務改善を行う場合も同様に、院内の職員の業務を定期的に測定、分析を行い効率のよい方法に改善し、現状よりも少ない人員で済むようにしていきます。 特に、患者数が増えて収入が増えるということは、それだけ業務量が増えるということですから、将来の収入増に応じて現状の人員で消化できる事務量を拡大していけるような組織・体制や仕組み作りをしておくことは、非常に重要なテーマとなります。

・物に関わる費用
クリニックでは様々な医療設備・医療器具のほか、什器・備品、消耗品を使用しています。これらの物品に関しては、日々の業務に追われてなかなか余裕がない場合もありますが、時間の許す限り、合い見積もりや比較検討、業者との交渉を行って購入単価を低減し、有効利用により購入量や購入頻度を見直すことによって費用の削減を図ります。

 

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