Q34資金管理はどのような点に注意して行えばいいですか?

 

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病医院の経営には多額の資金が必要となります。開業時には土地や建物、医療機器などに多額の設備投資が必要ですし、また、開業後も運転資金などが必要になり、いかに資金を調達するかが常に大きな課題となります。自己資金ですべてを賄うことは困難であり、ほとんどのケースで借入金などに頼って資金調達がなされます。
病医院においては患者を診察した時点で窓口収入を計上し、社会保険診療報酬は2か月間未収ながらも収入として認識することになります。つまり、収益を認識したにもかかわらず、お金は入金されていないということが起こることになる、いわゆる「勘定あって銭足らず」の状態です。この状態が運転資金の余裕を超えると、借入金の返済に支障をきたす等ということにつながり、経営破たんすることもありえます。そうならないためにも「資金運用表」や「資金繰り表」、「キャッシュ・フロー計算書」などを確認し、しっかり資金計画を立てて経営をする必要があります。

(1)資金運用表とは
一定期間の資金の調達(どこから)と運用(何に)の関連を観察、分析する計算書です。計算した増減数値を資金の性質によって分類し、期中において資金をどこからどれだけ調達し、それを何にどれだけ運用転嫁したかを分析します。 それによって資金調達と運用使途の適否を判定し、財務の安全性を高めることに貢献します。

(2)資金繰り表とは
一定期間の収入と支出の予定から資金の流入と流出を予測し、運転資金の過不足を的確に把握するために作成する、現預金の資金繰りを計画した計算表のことです。資金不足が予想されるときは、事前にその手当てを計画しなければ当然資金ショートを起こします。「資金運用表」とともに資金ショートを排除・回避して財務の安全性を高めることに貢献します。

(3)キャッシュ・フロー計算書とは
会社の活動を営業活動、投資活動、財務活動の3つに分け、それぞれについて各期の現金の動きを、整理して表示するための計算表です。キャッシュ・フロー計算書を作成するためには、直接法と間接法があります。経営管理に役立てるには直接法のほうがふさわしいといえますが、相応の手間とコストがかかることから間接法が現実的と考えられます。

 

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