Q02 自由診療の計上基準
健診・予防接種 (市区町村及び医師会等) はどのタイミングで売上計上すればよろしいのでしょうか?

 

A02
売上は金銭の収受とは関係なく、先生が診療を行った日をもって計上します。それは発生主義に基づき役務の提供 (健診・予防接種) が完了した時点で収益を計上するべきであり、入金の時点をもって収益を計上するのは正しい収益の認識とはならないからです。

市町村・医師会等からの健診・予防接種収入は、診療した日から入金までに時間がかかります。そのため売上を現金主義に基づいて計上しますと、収入に漏れが生じることになります。意図的にではないにせよ、売上を少なく計上してしまうことになります (参考:ただ期中を入金時点で売上計上している場合でも、期末時点で未収額を計上する処理をするのであれば漏れは生じません)。

売上の計上漏れを防ぐためには 「売上及び入金管理表」等を作成して管理するのが効果的です。この管理表に対象となる全ての売上を記載し、かつ実際にいつ入金したのかを管理する訳です。そうすれば、売上の漏れも生じませんし、入金漏れも防げます。

同様なケースとしては、 自賠責収入も挙げられます。自賠責収入も診療してから入金するまでに期間が空いてしまいます。そのため診療に基づいて売上計上しなければなりません。入金に基づいて売上計上すれば「健診・予防接種」のケースと同じように売上が過少になってしまいます。そのため自賠責の場合も「自賠責管理表」等を作成して管理するのが効果的です。

また自賠責収入には、他に別の論点があります。それは多数の保険会社から入金されるため、入金先を請求毎に個別に設定が出来てしまうのです。 つまり他の入金先を設定することにより、収入の隠蔽を図ることも出来てしまう訳です。ただ、こういった隠蔽工作も税務当局も十分理解していて、保険会社への聞き取り等により明らかになってしまいます。

しかも意図的で大きな売上除外を行ったケースでは、重加算税の対象にもなります。やはり「自賠責収入管理表」等を作成して 売上を極め細やかに管理する事が大切ということになります。

 

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