Q05 確定申告
9月より医療法人として事業を開始しましたが、個人事業主の最終年度における確定申告で注意すべき点はありますか?

 

A05
医療法人を設立した年度においては、医療法人の設立登記が完了するまでの1月〜 8月までを事業所得とし、9月〜12月までを給与所得として確定申告することになります。

医療法人成りをした初年度だけは個人の開業医としての事業所得と、医療法人から役員報酬としてもらう給与所得の2つの所得を合算して申告することになります。この場合、個人事業主としての最終年度になる1月〜8月までの事業所得については、今までどおりの確定申告と同じ事(医薬品の棚卸計上や未収入金、未払金の計上等)を行うことになるのですが、注意して頂きたいのは貸倒引当金の処理です。通常の事業年度と異なり、貸倒引当金を繰り入れる事は出来ず、貸倒引当金の戻入のみを行うことになります。従って、個人の最終年度の申告では貸倒引当金の戻入れ分だけ所得は増えることになります。

また、医療法人の場合は、都道府県による設立認可申請が受理され設立登記が完了しても、開設許可が得られ保険医療機関として指定申請を受けるまでは、医療法人として診療報酬の請求ができません。従って医療法人を設立した後に、社会保険診療報酬支払基金から今までの個人名義の口座に支払い金額が入金されてしまうことがあります。この場合は入金が個人の口座に振り込まれていたとしても既に法人が設立していますので法人の収益として扱う事になります。

尚、各都道府県により認可される時期に違いはありますが、個人最終事業年度は確定申告時に医師の社会保険診療報酬の特例における概算経費 (措置法26条) を使え、 所得を圧縮できる可能性もありますのでご考慮下さい。

 

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