Q13 海外研修
当医療法人の理事長が、海外で開催される医学会に参加いたします。学会は2日間にわたり開催されますが、せっかくの海外ですので学会とは別に2日間の観光も計画しています。今回の学会参加費用は、どのように取り扱われるのでしょうか。

 

A13
医師が海外で開催される学会等の参加費用等については、その海外渡航が事業の遂行上必要であるものについて損金算入されます。したがって、学会参加費、関連する旅費については通常損金に算入されます。しかし、ご質問のような観光・土産等の個人的な支出部分については役員給与として取り扱われます。

医師が学会等に参加し知識や技術を習得することは、質の高い診療業務を営む上で必要不可欠であり、損金に算入することができます。この場合、参加のための交通費、宿泊代等の経費で通常必要であると認められる額についても計上することができます。
一方、事業と関係のない観光費用などについては、個人事業の場合は必要経費とならず、医療法人の場合には給与として取り扱われ、損金にも算入されません。そして、あらためて源泉税の課税対象とされます。従って仮払経理等をし、後で個人負担をしてもらえば問題ありません。
海外旅行が事業遂行上必要であるかどうかどうかは、その旅行の目的、旅行先、旅行経路、旅行期間等を総合勘案して実質的に判定します。

また、業務の遂行上必要と認められる旅行と認められない旅行とを併せて行う場合には、海外渡航費を業務の遂行上必要と認められる旅行の期間と認められない旅行の期間との比等により按分して判断します。今回のケースでは、海外渡航の直接の動機が業務の遂行のためであるため、現地までの往復の旅費は業務遂行上必要なものとして取り扱い、残額について判断することとなります。

このような研修費については個人的な支出が混入されやすいので、税務調査では学会等の日程、領収証等が詳細にチェックされます。したがって、学会出張清算明細や研修費の使途明細の作成、業務との関連性を示す記録を整備しておくことが望ましいです。

 

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