Q15人件費等
人件費等についての税務調査のポイントを教えて下さい。

 

A15
人件費につきまして、役員報酬以外の項目で特に問題になりますのが、① 架空人件費の計上、② 親族への不相当に高額な給与の支払いです。

① 架空人件費の計上
納税額を減らすために、人件費を水増しするといった悪質な手段が用いられることがあります。実際には働いていないアルバイトの給与を架空計上するものです。すでに退職した人間の名義を用いたり親戚筋の名義を一時的に借りたりするケースが想定されます
これらはいずれも意図的な脱税ですので、税務調査で事実が発覚した際には、重加算税が課されます。くれぐれもこのようなことがないようにご留意ください。

(注) 重加算税とは、税金計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺい又は仮装した場合に課される罰則です。仮装した場合に追加で支払う税額は、35%と非常に重くなっています。

② 親族に不相当に高額な給与の支払い
親族に支給する給与として、個人事業主の場合には青色専従者給与があります。 青色専従者給与は事業主の恣意性が介入しやすいので、税務当局から租税回避の手段と捉えられ易くなります。 このため「青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書」による事前届出金額の範囲内で労務の対価として適切であるかどうか、経験年数・職務内容や世間相場、経営者の支払能力などから検討して、適正額を支給する必要があります。

この点、医療法人化して理事 (役員) となった場合、理事には医療法人の事業及び管理事務等の業務執行の対価として役員報酬が支給されます。
一般的には、専従者より理事の方が、業務範囲が広いため、より多額の給与を支給することが可能となります。
ただし、あまりにも高額な役員報酬を支払った場合には、Q18で述べる過大役員報酬の実質基準の規定が適用され、損金不算入となりますのでご注意ください。 

 

質問等がありましたらお気軽にお問い合わせください。

専門のスタッフが不安や疑問にお答えします。

メールでのお問い合わせはこちらから