Q14 クリニックの会計で留意すべき点について教えてください。

 

A14 解 説

開業医となると、本来の医療に加えて経営者としてもやらなければならないことがたくさんでてきます。また、経営者としての判断を要求される事も多々有ります。そこで指針となるのが医療会計です。そのためにも医療における収入と支出を明確に記録し、今後の判断材料とすることがポイントです。

 

1.経営者としての仕事


クリニックを開業すると、医師としての仕事のほかに、経営者としての仕事が加わってきます。医師としては忙しい診察、治療の合間をぬって医学知識や治療技術の習得・研鑽を積み、さらにクリニックを安定的発展へと導かねばなりません。それに加えて経営者としては、公官庁への書類の提出、人の採用・育成、組織作り、資金繰り、会計、確定申告、節税対策、給与計算、社会保険、労働保険、広告・増患対策、保険の加入など、初めて経験されることがたくさんあります。まずは、多岐にわたる経営実務を理解することが重要です。その中でも、会計と税務についての理解はクリニック経営の第一歩といえます。

 

2.クリニック経営における会計


会計とは、企業の経済活動(ここではクリニックの医業活動)を、主に金額によって測定し、記録、分析して、院長先生をはじめ内部の経営者等に経営に役立つ情報を提供するとともに、税務署や銀行等外部の関係者にクリニックの財政状態や経営成績を報告するものです。従って、様々な診療行為等も、すべて金額で評価・測定、記録されます。その評価・測定、記録する技法として簿記が使われています。

 

3.家計との分離

 

クリニックの会計を始めるにあたり、まずやるべきことは、クリニックの会計とドクター個人や家族の生活のための会計(家計)を、はっきり区別することです。クリニックのお金とドクターの個人的なお金は混同してはなりません。

 

●クリニック専用の預金口座を作り、 私的な入金や支払には使わないようにします。

●クリニック専用の現金(レジ用と小口支払用)を用意し、 私的な支払には使わないようにします。

●窓口収入と小口現金支払い用の出納帳を作り、 クリニックの現金の出入りを全て記録します。

●クリニックに関する領収書や請求書などの書類をきちんと整理保管し、個人的な領収書等が混じらないように注意してください。

●クリニックの会計とドクターの家計とのお金のやりとりは、きちんと記録し、クリニックのお金と個人のお金とを厳密に区別します。

 

 

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