Q18 開業費の処理方法について教えてください。

 

A18 解 説

医院を開業するにあたっては、さまざまな手続きや準備が必要であり、多額の費用が伴うことがほとんどです。

それでは、開業の手続きや準備にかかった費用はどう処理すればよいのでしょうか。

 

その年の収益に直接関係のあるもの、たとえば「薬品仕入」や「宣伝広告費」は、その年の必要経費に算入できます。それ以外の開業日までに発生した費用は開業費として計上します。しかし、開業前に購入した10万円を超えるパソコンや机、椅子などの固定資産や、返還されない保証金などの繰延資産は開業費にはできません。これらについては、きちんと分けて、通常の耐用年数に合わせて減価償却をしなければなりません。

 

「開業費」の税務上の定義は、事業を開始するまでの間に開業準備のために特別に支出した費用です。

その支出の効果が1年以上に及ぶので、会計上、開業費は5年で均等償却と定められていますが、税務上は任意償却が認められているため、開業前の費用については開業費として一括で計上し、その年の収益を見て償却する額を決めるとよいでしょう。

 

ただし、開業のために特別に支出したものは何でも開業費にできるかというとそうではありません。

以下に、開業費にできるもの、できないものの例を挙げます。

 

<開業費にできるもの> ・・・ 開業費で処理

●開業セミナー代

●開業前に支払った診療所の家賃、水道光熱費

●開業前に支払った借入利息

 (但し、固定資産購入の借入利息は取得価額に算入)

●開業前に支払った診療所で使う備品、消耗品代

●開業のための業者さんとの打合せ飲食代

 

<開業費にできないもの> ・・・ それぞれの勘定科目で処理

●診療所を借りるために支払った敷金、保証金、礼金

●診療所のために購入した土地代金、購入、建築した建物代金

●1個、1組10万円以上の備品

●電話加入権

●薬品や診療材料の購入代

 

開業を思い立って準備を始めたときからかかった費用は開業費です。

何のための費用だったか記録しておきましょう。

 

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