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解 説
受付窓口の仕事とは何かを考えますと、「診察券を受け取ってカルテを出す」「会計の精算をする」「次回の予約を入れる」等たくさんあります。
これらの業務の他に、「患者様を暖かくお迎えすること」「患者様を暖かくお見送りすること」というサービス面の業務(接遇)も含まれます。
通常の業務が忙しいという理由で、接遇をなおざりにすることは医院経営において大きなマイナスです。
開業前の研修においても接遇研修を取り入れ、開業後も定期的に研修や見直しをするようにしましょう。
①外部講師の研修に参加させる
スタッフの育成は、診療所経営の基本です。
先生ご自身がスタッフの教育に手が届かないような場合には、外部講師に任せるのも決して無駄になりません。
②内部で検討会を開く
検討会や反省会のような場を作り業務の検証を行うことも重要です。
その場で風通しよく、改善すべき点を言いあえれば、この検討会の設立は大きな意味を持ちます。
③先生ご自身が教材
先生は常にスタッフから観察されています。
スタッフをどんなにすぐれた研修に参加させたとしても、先生ご自身ができなければスタッフもできません。
スタッフの行動は、先生ご自身の鏡であることを忘れずにいてください。
以下にスタッフ指導のヒントを挙げますので、参考にしてください。
<組織・運営>
●経営理念や院長の考え・価値観を共有できるようコミュニケーションをとること
自分の医院の診療科は何で、院長がどのような考え方で医療サービスを提供するかを具体的に明示する必要があります。経営理念は文書化し、スタッフの見えるところに掲示することが重要です。
●就業規則、賃金・退職金規定等は明確にし、厳密に運用すること
人事管理のため労働基準法に準拠している諸規定や就業規則、給与規定、チェックリストの作成が重要です。
●スタッフの意見を取り入れること
業務改善・問題解決にスタッフみんなの意見を聞き、方策を考えさせ自分たちのクリニックなんだという意識を持ってもらうことが必要です。
●具体的な「数値目標」を設定すること
設定した「数値目標」をスタッフに宣言することにより全員で目標達成にむかって取り組む気持ちを醸成することが重要です。
●各スタッフにプロジェクトリーダー的な役割を与え、各人に重要感を持ってもらうこと
院長、看護師、受付事務、医療技術員、院長夫人あるいは事務長がそれぞれ自分の役割は何か、するべきことが何かを明確にすることが必要です。
<評価>
●成長を測る物差しとして明確な評価基準を作りそれを明示すること
●評価基準に照らして頑張っている人をみんなの前で褒めてあげること
●公正な評価基準による評価を賞与に反映させること
<院長の心がけ>
●常に院長が笑顔でみんなに声をかけること
●院長が感謝の言葉を声に出して言うこと
医業=サービス業という観点から、私達は「見られている・聞かれている」という意識をもつことが大切です。
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