Q24 現在利用している自家用車などを開院後に通勤用に使う場合、税務上の処理でローン残分を経費にまわすことはできるのでしょうか?

 

A24 解 説

自家用車については、事業用と私用(家事用)との区分線がいわゆるグレーゾーンとなりやすいところです。

 

乗用車であれば、購入代金は6年間で1円を残して減価償却費という経費となります。

 

通常、その車の使用頻度(具体的には1ヶ月程度の期間中の走行距離等)によって減価償却費や他の経費(車検修理代・保険料・自動車税・ガソリン代等)を合理的に配分し、事業用分は事業経費となります。

 

「勤務地と居宅との通勤に必要」との主張ができる場合、総額の7〜8割程度を事業用として申告をされる方が多いです。

 

ただし、業務用の車と私用の車の2台を所有しておられる場合には、当然、業務用の車分の経費は全額事業経費となります。

 

また、現在使用中の車の場合は、車の購入日から業務での使用開始の日までの期間分の減価償却費(定額法)を計算し、使用開始時点での車の残存価格を算出した上で減価償却費の計算をします。

 

減価償却費は少しわかりずらいかもしれませんのでご説明申し上げます。

 

税法上では減価償却費とは単価30万円以上のものについては、その使用可能期間に配分して経費にすべきとして支払った年に一括経費とすることができません。

 

乗用車であれば6年といった法定耐用年数が定められており、この法定年数の期間において毎年価値の減少分を減価償却費として経費とすることになります。

 

また減価償却費は2つの償却方法があり、毎年一定額を均等に償却する方法(定額法)と毎年減価償却後の残存価格に法定率をかけてゆく方法(定率法)とがあります。

 

定率法は当初の減価償却費が多額なので当初の税負担が軽減されるメリットがある反面後半以降は納税負担が発生し資金難となりやすいことから、当事務所では、3年以内に利益に転換することを想定しておられるのであれば、定率法の採用をお勧めしております。

 

このように経費とできる減価償却費は、ローン残分とは無関係な数字となりますことをご了承ください。

 

尚、ローンの元金部分は経費とはなりませんが、利息部分は経費となりますので誤解のないようにお願いいたします。

 

また、開業後に通勤用としてマイカーを新規購入した場合、既存から所有の車のみを私用(家庭用)に使い新規購入の車を事業専用に使うのであれば、元本部分は年次で減価償却され、利息分を毎月の経費に計上することができます。

 

たとえば月に400万の収入があったとして、20万円の経費を計上する場合、380万円に対して課税されますので、所得税率33%の場合(住民税率は10%と推測されます)、経費の効果は

400-380万) X 0.43 = 86千円

となります。

 

税金は支払う時期が遅いので実感は沸きませんが、結果的には「経費200,000円−税金の減少86,000円=財布の中身の減少114,000円」となります。114,000円の支払で200,000円も価値が買えるわけですので、お買い得感が高いように感じられると思います。

 

ただし、逆にいうと114,000円は確実に減ることになるのですから、最低限必要な経費のみにすることが肝心です。

 

 

 

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