Q28 固定資産はどのように管理したらよいですか?

 

A28 解 説

固定資産は長期に利用し収益獲得に貢献します。いつ、どこの業者から購入したのか台帳を整備し、その本体にもシール等で内容がわかるようにしておきます。設計図、見積書、契約書などは、維持・修理・管理するのに必要となりますからすぐ見れるよう保存しておきます。

 

1.開業時に多額な投資となる固定資産

 

クリニック開業には土地や建物、医療器械などの固定資産が必要となりますが、その投資額は多額となるため、できる限り早期回収を図ることが重要となります。そして、その回収は収益を獲得することにより行われ、それに対応する価値の減少を減価償却として計算し必要経費に計上します

また、その償却の基礎となる取得価額には原則として取得にかかる費用も含めます。

投資額が多額になるため購入するのか、リースにするかも事業計画策定時に選択判断することとなります。

 

2.必要経費に計上できる金額


減価償却は税法で決められている次の規定により計算した金額が経費に計上できる金額となります。

 

限度額

処理

①使用可能期間

   1年未満

取得価格全額をその年の必要経費に計上

②取得価格

   10万円未満

取得価格全額をその年の必要経費に計上

③取得価格

   20万円未満

下記⑤の減価償却に代えて3年で償却

④取得価格

   30万円未満

取得価格全額をその年の必要経費に計上することができる

※但し、青色申告者で中小企業者の場合

※必要経費算入は年間で300万円限度

⑤取得価格

   40万円以上

それぞれ規定された耐用年数に応じて計算した減価償却費が必要経費となる

※③、④を適用したもの以外

⑥特別償却

青色申告者については、上記⑤の減価償却に加えて次の特別償却費を必要経費とすることができる

○中小企業等が機械等を取得した場合の特別償却

→ 取得価額の30

○医療機器等の特別償却

→ 取得価額の14

○特定医療用多々物の割増償却

→ 取得価額の30

 

 

3.維持・修繕に要した費用


固定資産についてはその取得後維持、改良、修繕にかかる支出があった場合には修繕費として必要経費にします。修繕費であるかどうかは次の順番で判定します。

 

①支出金額が20万未満である。

3年以内の周期の費用である。

③通常の維持管理費用や現状回復費用など、維持・修繕に要したことが明確である。

 ※建物の避難階段や用途変更のための模様替え等の支出は修繕費としては取り扱いません。

④支出金額が60万未満である。

⑤支出金額が前年末取得価額の10%以下である。

⑥上記①〜⑤に当てはまらない場合は、支出金額の30%か前年末取得価額の10%のいずれか少ない金額を修繕費とします。

 

 

 

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