医療経営のための税務調査対策 Q&A

  • Q 10 車両について
  • A 10


    院長先生が通勤用目的で使用する車両についての経費算入は、単純には決められません。
    なぜなら、医療法人でも個人医院でも経費算入が可能なのは事業に使う車両に限られるからです。
    医療法人と個人医院との間には、経費算入の扱い方に違いがあり、医療法人の場合には、ほぼ100%損金算入が可能
    ですが、個人医院の場合には自己否認 (例:週休1.5日制のクリニックの場合1.5日÷7日=21.4%→切下げ ∴20%) が
    必要となります。
    否認する理由は、上記にも書きましたが、事業に使用しているのかどうかが鮮明では無い部分がある為です。こ
    の差は医療法人のメリットの一つとなっています。
    価格の面からは、クリニックの年間収入金額と車両価格とのバランスが重要です。年間収入金額が3000万円のク
    リニックで1500万円の車両を損金化 (=経費算入) するのは、判断に困難を伴います。
    2台目の取得についても、個人医院の場合なら青色事業専従者が、又、医療法人の場合なら理事が、使用している
    2台目の車両が該当してきます。一般的に、医療法人の場合は、使用実態に問題が無ければ、ほぼ100%経費算入が
    認められております。
    しかし、個人医院の場合、院長先生が取得した車両と同様に、たとえ当該車両を毎日通勤に使用していたとして
    も自己否認割合を高め (例:50%等)に設定する必要があります。 2台目ということもあり、かなり家事費的な色合
    いが濃くなります。
    又、車両を使用することによりガソリン・保険・修繕・自動車税等・付随する様々な費用が生じてきます。これ
    らの費用につきましても、その元となる車両の経費算入割合に従って、税務上の処理をすることとなります。