医院開業と経営 Q&A

  • Q8 中小企業退職金共済について教えてください
  • A8 中退共の特長

    中退共とは、中小企業の要件を満たす開業医や医療法人が独立行政法人勤労者退職金共済機構(機構)と契約し、従業員ごとに選択した掛金月額を毎月納付することで、退職者からの請求に基づいて
    機構から退職者に直接退職金が支払われる制度です。

    主なメリットは以下のとおりです。

    (1)掛金が経費となる

    中退共の掛金は、個人開業医であれば必要経費として、医療法人であれば損金として、いずれも全額認められます。
    退職金の支払いに備える方法として、中退共ではなく生命保険を活用するというケースもよく見られますが、この方法で
    経費とするには一定の条件をクリアすることが必要となり、中退共に比べると見劣りすると言えます。

    (2)国の助成制度がある

    2種類の助成制度があります。

    .新規加入助成

    新しく中退共制度に加入する個人開業医や医療法人に対し、加入後4か月目から1年間掛金月額の2分の1(従業員ごとに上限5,000円)が助成されます。

    .月額変更助成

    掛金月額を増額変更する場合には、一定の条件で増額する月から1年間増額分(差額)の3分の1が助成されます(掛月月額が18,000円以下の場合のみ)。
    この助成は、助成期間中の掛金を減額するという形で、要件に該当したときに自動的に受けられます。また、自治体によっては国からの助成のほかに独自に補助制度を実施しているところもあります
    ので、ぜひ事前にご確認ください。

    (3)掛金の前納ができる

    生命保険料のように、一定の期間分を事前に一括納付することで掛金の割引を受けることができます。

    (4)提携サービスを利用できる

    加入者は機構と提携しているレジャー施設等を割引利用できますから、掛金以外の負担なしで従業員の福利厚生にも役立ちます。